シロー命特別編 ノリスの戦い、そして…



10話震える山(前編)にてシロー達08小隊と戦いそして散っていったノリス=パッカード…
彼はシローにやられますが代わりに量産型ガンタンクを撃墜し、シロー達のミッションを失敗させます。
彼の散り様は真の武人と呼ぶに相応しいものでした。
今回はシローだけでなくノリスにスポットを当ててみようかと思います。

ノリスが戦闘するシーンは3話と10話の2回だけ。まぁ、味方ではないので仕方ないとは思いますが実はジオン側で複数回08小隊と戦闘しているのはアイナとノリスの二人だけだったりします。偉いですね、ノリス。
で、此処で注目したいのはノリスが戦った相手は二回ともシローであるということです。
これが何を意味するか…すぐに気づくと思います。
そう、二回のノリスvsシローはシローの成長を意味していることを!
と言うことでノリスvsシローを振り返ってみることにしましょう。


vs1 3話 信頼の限界時間より
初の水中戦であるシロー、対するノリスは震える山の描写を参考にするとエースパイロットであると思われます。
しかもコクピットにはキキ…。心理的なプレッシャーもシローを襲います。
傍目から見ても圧倒的に不利な状況。しかし、シローはノリスを撃退することに成功しています。
ノリスの慢心もあったかもしれません(連邦にも水中戦〜のくだりより)。しかし、僕はこのシーンでシローのMSパイロットとしての成長を見ました。
3話の最初にカレンがこう言っていますね。
「訓練の成果が出てきたみたいだ。」
とね。
1話でボールに乗ってアイナのザクと相打ちになっていますがこれより彼自身のMSパイロットとしての技量は相当に高いものと思われます。
そうしないとやられてるでしょうね。中でも発想の柔軟性は特筆に価すべきものでしょう。(これが本編では様々な場面で活かされています。)
ですが2話では重力下での戦闘に慣れていないことを露呈してしまいました。これではいかなるパイロットでもその技量を活かすことは出来ません。
で、此処でノリスを倒したということは彼が重力下での戦闘をモノにしたと言うことがいえます。
陸戦型ガンダムvsザクというスペック上の違いはかなりありますがノリスを倒したことによってシローがMSパイロットとして一人前になったという描写としてはいい物だと思います。
ちなみに倒した攻撃はフラッシュ→殴る→バルカンと言う流れなのですがここに彼本来の発想の柔軟性が出ているように思えます。
攻撃の流れ的にもMSが爆発するようなものではないためシロー心意気と言うのも見えていいですね^^


vs2 10話 震える山(前編)より
ケルゲレン防衛の為に出撃するノリス。それに遭遇する形で戦闘が開始されてしまう。
まさに一瞬の間に2機の量産型ガンタンクを撃破、尚且つ赤子のように8小隊のMSを翻弄します。
エースの名に恥じない活躍っぷりにサンダースも「こいつは…エースだ」と恐れるように言ってますね。
だが此処でシローはサンダースに「考えを変えないと死ぬ」と言います。この言葉によりサンダースは恐慌状態から立ち直ります。
そしてシローはノリスと戦闘。ヒートロッドにより行動不能になります。まぁ、この後は愛のニュータイプたるシローの覚醒シーンなので割愛(ぇ
再起動を果たしたシローとノリス。「恋人」と生きたい者、「死に場所」を見つけた者の一騎打ち。08の中でも最も盛り上がるシーンでは?
結果はご存知の通りシローはノリスを撃墜しますがノリスは最後のガンタンクを撃破します。つまり、8小隊のミッションは失敗に終わったのです。
ノリスのとった行動と言うのはケルゲレンの脱出を支援する為の出撃、ケルゲレン攻撃用に配属されたガンタンクの撃破です。
つまりこの時点でノリスの死は確定的な状況です。何せ脱出手段はないのですから。
案の定彼は死んでしまいますがミッション自体は成功しています。にも拘らずその後の展開を見る限りではMSが基地の近くに結構存在しています。
彼がガンタンクを撃墜したことによりケルゲレンが大気圏脱出するさいに撃沈と言うことはなくなりましたがあれだけのMSがあれば結果はあまり変わるものではないと思います。実際ケルゲレンは撃沈してますし。
ならば彼の死は全くの無駄であったのか?戦略的には無意味であったかもしれません。しかしシローの心には大きな意味を与えたように思います。
まずノリスの行動を考えてみると味方を生かすために自分を犠牲にすると言うことがいえると思います。
一方シローはギニアスを殺すと決意した瞬間自分が生きて帰る気はあまりなかったのではないでしょうか?
半死半生のEz−8、万全に近いアプサラスV…。常識的に考えて勝てるものではないでしょう。相打ち狙いであわよくば…というように見えました。
勿論行間を読みすぎているとか生きる気があると言われればそうかも知れません。あの状況からするとシローが敗れれば全滅と言うのも十分に考えられます。
彼は自分を犠牲にする覚悟で皆を生かすためにあの行動をとったのではないかと思います。



08小隊におけるノリスの役割というのは主人公(シロー)にとって越えるべき壁であると僕は考えています。(技術的にも人間的にも)
それが達成されたのかは実際に本編を見ることで皆さん個々人がそれぞれの感想をもつと思います。
しかし、これだけは万人に共通する想いだと思います。
ノリスがいなければ08MS小隊という作品は成り立たない



如何にして死ぬのか、漢の死に様と言うに相応しい死に様、そして最期まで義に生きたその心…。
いいですね。似たようなキャラに0083のガトーがいますがガトーは侍と言う感じですがノリスは騎士という感じがします。
ノリスの生き様を皆さんも見てみませんか?きっと何か開けて来ると思いますよ。

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